序章 最初の自覚症状は胸のしこりだった

告知 病気の記録

どうして気がついたのか?

初夏の風が心地よい季節。

とあるアーティストのイベントを見に行った日。

久々に一人で遠出して、心地良い疲労と満足感でバスタブにつかっていた時に「あれ?」思わず

普段はシャワーですませているけれど、週に一回はバスタブに重曹をいれてゆっくり温まることにしています。その時に、手足のマッサージや、乳がんチェックも習慣としておこなっていたのだけれど。

「あれ?」

右胸の下側に違和感があった。

左右を比べてみても明らかに固いしこりっぽいものが・・・ある。

5センチくらいの楕円状。

痛みはないけれど、先週は気がつかなかったはずのこの塊はなんだろう・・・。

過去の健康診断で、「あなたの場合、マンモグラフィーでは、乳腺がしっかりしすぎていて(高濃度乳房)わからない」といわれて以来、マンモ検診は受けても無駄と検査項目からは外していたので、やや不安。

乳がんのセルフチェックとは?

ネットでいろいろ調べてみるとだいたい下記の項目が出てきます。

・皮膚の色は赤の有無
・乳房に変形や左右の差の有無
・しこりの有無
・ひきつれの有無
・えくぼのようなへこみの有無
・ただれの有無
・出血や異常な分泌物の有無

私の場合、しこり以外は当てはまる自覚症状はない。

しかも、乳房下のしこりって確率的に見てもあまり多くない。

ただの炎症であってほしいと、思っていました。

がんについてネットで調べてみる

乳腺症なのか、炎症なのか、やっぱり乳がんなのかをネットで調べているうちに、乳がんに関する大量の情報に出会いました。

がんに効果があるという民間療法、食事療法、まだ認定されていない保険のきかない治療法など。

いずれにしても、このしこりの正体を知らないことには不安な日々を送ることになるので、仕事のない日を選んで近隣の乳腺外来がある総合病院を受診することにしました。

当日は、エコー検査を実施。

大きさは左右4センチと大きく、五分五分で悪性の可能性があるとのこと。担当主治医が近くにある大学病院でも担当医をつとめているからと、その場で予約をとってくれて、本格的な検査を受けることに。

三日後、大学病院でマンモグラフィーと超音波検査、針検査で細胞摂取。

マンモグラフィーと超音波検査は順調に進み、針検査で細胞摂取に。

「針検査」

これが、想像を超えて痛かった。

麻酔なしの検査で、痛みに強い方ではあるけれど、超痛い。

なのに、担当した看護師は「痛くないんですか?」と激痛をこらえている人間に不思議そうに聞いてきた。「お前が体験してみろ!! バカぁぁ!!」と心の中で叫ぶ。(口が悪くてすみません)

患者の痛みに寄り添えない看護師ほど始末に負えないものはない。

痛みよりも、無神経な看護師に放たれた言葉が胸に刺さっている。

さんざんな目にあいつつ、ひと通りの検査を終了。

担当医の所見としては、「ほぼ悪性だと思う」との話。

部位が部位だけにね。気持ちが暗くなる。

検査結果は一週間後。そして告知。

検査結果が出る次回の診察までの間、あたらめて書籍やネットをチェックしまくる。

もし、検査結果が乳がんならおそらく切除手術になるはずだけど、術後の苦労話のブログとかを読むと、むくみやだるささが続く話や、乳房再建手術などなど、結構気がめいってきます。

それでも、温存療法、患部を温める温熱治療などの情報もあり、セカンドオピニオン外来を受けてみようと九分九厘心に決めていました。

その為にも、告知された段階で、担当医に「診断書と、画像データを下さい」と即座に話をしよう。そう、心に決めて病院に向かったのです。

なのに

「悪性リンパ腫の疑いがあります」

「は?」

予想だにしていない病名に、思考が停止しました。