1-1 告知当日 悪性リンパ腫って何ですか?

告知 病気の記録

拍子抜けの覚悟

前回の診察の時も主治医からは「ほぼ乳がんだと思う」と言われていたので、心の中は、すでに告知を覚悟していました。

なのに「悪性リンパ腫の疑い」って、なんだそれ? という、ほぼ未知なる言葉に「?」状態。

混乱とかではなくて、本当に無知ゆえの「何それ?」という無の極致。

先生は「血液内科での診察になるから」と説明してくれるものの、血液内科なんてそんな科があるんだ~という他人事のようなのほほんとした自分を感じていたりします。

当日は血液内科が終了したので、予約をとることに。

「いつにしようか?」と問いかけられて、仕事もそんなに休めないし、二週間後ならなんとかとれるかな、と診察室のカレンダーをにらめっこしながら「じゃあ、二週間後に」と言うと、「えっ」という主治医の息をのむ声。

それだけで、そんなに時間を置いてはよくないらしいニュアンスが伝わってくる。

「会社と相談して、あとで予約日を変更してもいいですか?」と聞くと、先生にようやくほっとしたような笑みが浮かんだのでした。

「悪性リンパ腫」に関してもう少し説明をしてくれてもいいような気がしたけど、担当外の病気なのと、「〇〇の疑い」という段階では、「乳がんの疑い」であった私には躊躇したのかもしれない、と自分で自分を納得させて病院をあとにする。

自宅に帰って検索する

悪性リンパ腫
簡単にいうと血液のガンらしい。
でも、白血病とは異なるらしい。

白血病のイメージは、幼いころに見た山口百恵のドラマ。
走っていて転ぶと血が止まらなくなる。
不死の病。

そういえば、数年前からの健康診断で悪玉(LDL)コレステロール値が基準値より高い状態が続いていた。

体重も増えていたから、ここ一年のランチはサラダをメインにするなど注意はしていたんだよね。

【悪性リンパ腫の主な症状を調べてみる 】
・発熱症状/37℃前後の微熱が続く
・全身の倦怠感がある
・貧血
・体重減少
・すごい寝汗
・皮膚の下にしこりが出来る

平熱はほぼ36.5度で、倦怠感はほぼなくて、むしろ疲れ知らず。
貧血にもなった経験はなくて、体重もどちらかというと増えている為、食事ダイエット中だったりする。年齢的にホットフラッシュ現象は50歳になったころからはあるけど、すごい寝汗はほぼなし。
あっているのは「皮膚の下のしこり」のみ。

いろいろ調べているうちにふと、先週購入した近藤誠先生の著書を思い出して再度読み直してみる。近藤先生はガンは治療せずに放置しておく治療法を推奨している医師だけどそれは固形ガンに関してだけ。血液ガンに関しては除外されていました。

と、いうことは今は不治の病ではなくて、現代では「治る可能性がある病」なのかもしれない、という希望がある病気であることまでは理解。

でも、あまり深く調べると気がめいりそうなのと、「疑い」って言っていたから「やっぱり別の病気でした」と言われる可能性もあるかもしれないので、それ以上は次回の診察結果を待つことに。

「悪性リンパ腫」ですね

一週間後、血液内科を受診すると、主治医は前回の検査結果を見て一言。

悪性リンパ腫ですね

の、疑いがある、という話だったんですけど

悪性リンパ腫ですよ

うーん。やっぱりそうなのか。

3月頃から右肩が痛かったんですけど関係ありますか? 痙攣みたいな感じがあって

それは関係ないでしょうね

どんな治療をするんですか?

リンパ腫も90種類くらい種類があるので、それによって治療薬が変わってきます

私のこの症状は悪性リンパ腫ではどのくらいの段階ですか?

普通ですね

胸のしこりは6月はじめに気が付いたんですが

おそらく胸のしこりは、3月とか4月じゃなくて、5月頃には出来ていて、6月に突然表面化したと思います。放っておくと大変になりますから、問答無用ですね

さすが専門医と言うか、とりあえずの疑問を口にする私にひとつひとつテキパキ答えてくれる先生。でも「普通」の意味がやや不明。しかも、テキパキ対応過ぎて、テレビドラマのような神妙な空気にすらならない。

出来るだけ早く治療に入れば、治る確率も高くなります

という言葉にまずはがんばろう、と心に誓うのでした。

「今日は、乳腺内科で生研と、血液検査、CT検査をしましょう」とのこと。

それで後日、ペット(PET)検査を行いましょうということで、言葉通り問答無用で、検査等の段取りが次々と決まっていきます。

特に「生検」(組織の一部を切り取って、検査をすること)の言葉には、また、あの痛い思いをするのか、とやや鬱になりながら待合室に移動。

2時間近く待たされてようやく診察室にはいりましたが、待っていたのは、主治医とは別の若い女医さん。

そして、生研は今日ではなく、別の日に行うという説明を受けました。

二人目のベテラン風女医さんも登場して詳しく話してくれたのは、今回ま生研は右脇のリンパ節を取り出す1時間程度の手術を行うというものでした。

実感がわかないけれど 心配事はわくのです

50歳を過ぎるまで、大病らしい大病はしたこともなく、入院も手術もしたことがない身の上に、一気にいろいろ降りかかってくる諸々。

それでもまだ他人事のように感じている自分がいます。

告知で落ち込むのか、と思っていましたがそれもなく。

逆に「病人なんだ」どこかで面白がっている自分もいたりします。

病気について検索したり、同じ病気の人のブログを読んだりすると気がめいってくるのは確かなのですが、自覚できないのか、自覚したくないのか、感情面の揺らぎはあまりなく、それより仕事はどうしようか、近くの病院に入院している親にはどう話そうか、という対応に気が向く日々。

なにしろ、何カ月も入院するかもしれないし、抗ガン治療で体力も落ちてヘロヘロになってしまうかもしれない。

自分の体が今後どうなっていくのか、仕事は続けられるのか、離職しなければいけないのか等、先行きがまったく予測できないことの方が心配だったのです。